中古車を乗り換えるとき、多くの人は「買う車の値引き」に力を入れます。でも実際に手元のお金が大きく変わるのは、今の車をいくらで売れたかのほうです。
この記事では、同じ車で「買う価格」と「売る価格」がなぜ違うのか、年式と走行距離で相場がどう動くのか、相場表をどう読めばいいのかを、当サイトの車種ページに載せている相場データ(出典・時点つき)を使って説明します。
「買う価格」と「売る価格」はなぜ違う?
中古車店は、あなたから車を買い取り(または下取りし)、整備して、店頭に並べて、売ります。その間にかかる費用と利益が、買取価格と販売価格の差になります。
| 差が生まれる要素 | 内容 |
|---|---|
| 店の利益 | 人件費・店舗費・広告費を含めた利益。台数の多い店ほど1台あたりは薄い |
| 整備・清掃 | 納車前の点検、消耗品交換、クリーニング、板金 |
| 保証 | 「保証付き」で売る場合、保証期間中の修理費を見込んで価格に乗せる |
| 在庫期間のリスク | 売れるまでに相場が下がる、年式が1年古くなる、車検が切れる。その分を安く仕入れる |
| オークション手数料・輸送費 | 買取店が業者オークションに出す場合、その手数料と運搬費 |
当サイトの 高く売る手順 でも書いていますが、店頭の販売価格から20〜30万円程度、または販売価格の8割前後が買取額のひとつの目安です(車種・年式・店で大きく変わります)。
つまり、同じ車を「買う側」として見ると高く、「売る側」として見ると安いのが普通です。これは店がずるいのではなく、仕組みとしてそうなっています。知っておくべきなのは「差があること」と「差の大きさは店によって違うこと」です。
年式と走行距離で、相場はどう動く?
買取相場は「年式」と「走行距離」でおおよそ決まります。N-BOXの実例で見ます。
年式で見る(N-BOXの例)
| 年式 | 直近3か月の平均査定額 | 1年前の年式との差 |
|---|---|---|
| 2024年式 | 100.2万円 | — |
| 2023年式 | 85.4万円 | −14.8万円 |
| 2022年式 | 72.9万円 | −12.5万円 |
| 2021年式 | 67.4万円 | −5.5万円 |
| 2020年式 | 53.4万円 | −14.0万円 |
| 2019年式 | 49.5万円 | −3.9万円 |
| 2018年式 | 42.1万円 | −7.4万円 |
| 2017年式 | 29.5万円 | −12.6万円 |
出典:ガリバー「N-BOXの買取相場・査定価格」2026年10月2日更新(当サイトの N-BOXの記事 に掲載した表から抜粋)。
読み方のポイントは3つです。
- 新しいほど1年あたりの値下がりが大きい。 2024→2023年式で約15万円、2021→2020年式で約14万円下がっていますが、2019→2018年式は約7万円です。
- モデルチェンジの境目で段差ができる。 2017年式(2代目と初代が混在)で大きく下がっています。
- 数年落ちの「値下がりが落ち着いた年式」が、買う側には割安に見える。 売る側から見ると、その年式に入る前に売ったほうが減りが小さいです。
走行距離で見る(N-BOXの例)
| 走行距離 | 6か月の最高査定額 | 1つ前の区分との差 |
|---|---|---|
| 1万km未満 | 130.2万円 | — |
| 1〜2万km | 117.0万円 | −13.2万円 |
| 3〜4万km | 105.3万円 | — |
| 5〜6万km | 90.0万円 | — |
| 7〜8万km | 61.5万円 | — |
| 9〜10万km | 49.6万円 | — |
| 10〜11万km | 37.4万円 | −12.2万円 |
出典:同上(ガリバー、2026年10月2日更新)。最高査定額は年式・グレードの良い個体の値なので、平均ではありません。
5万km・10万kmの節目を越えると段差が出やすいのが見て取れます。売る側は節目の前に、買う側は節目を少し越えた個体が狙い目、という逆の関係になります。
車種で「値下がりの速さ」が違う
| 車種 | 2024年式の平均査定額 | 2021年式の平均査定額 | 3年での下がり幅 |
|---|---|---|---|
| N-BOX | 100.2万円 | 67.4万円 | −32.8万円(約33%減) |
| ジムニー | 149.6万円 | 130.7万円 | −18.9万円(約13%減) |
| プリウス | 238.4万円 | 143.9万円 | −94.5万円(約40%減。2023年式以降は新型60系で相場が高い) |
| アルファード | 444.0万円 | 280.4万円 | −163.6万円(約37%減。2024年式は新型40系) |
出典:ガリバー 各車種の買取相場・査定価格(2026年10月2日更新)。当サイトの各車種ページに載せた「直近3か月の平均査定額」から計算。モデルチェンジをまたぐ車種は新旧の差が含まれます。
ジムニーのように値下がりが遅い車は「買うと高いが、売るときも高い」ので、数年で乗り換える人には実質の負担が小さくなることがあります。逆に値下がりが速い車は、買うときは割安でも、売るときにあまり戻ってきません。
相場表はどう読めばいい?
当サイトや買取店の相場表には「平均」と「幅(最低〜最高)」があります。幅が大きいのは、次の要素で値段が変わるからです。
| 幅を生む要素 | 高くなる側 | 低くなる側 |
|---|---|---|
| グレード | 上位グレード、ターボ、4WD(雪国で需要) | ベースグレード |
| 色 | 白・黒・パール系 | 個性の強い色 |
| 装備 | 両側電動スライドドア、ナビ、安全装備 | 装備なし |
| 状態 | 無事故、記録簿あり、内装きれい | 修復歴あり、臭い、傷 |
| 売る店 | その車種が得意な店、在庫を探している店 | 不得意な店、1社だけの下取り |
自分の車が「幅のどこにいるか」は、1社の査定では分かりません。 複数の店の査定を並べて初めて、平均より上か下かが見えます。
値引き交渉より「売る側の相場を知る」ほうが効く理由
| 買う側の値引き | 売る側の相場を知る | |
|---|---|---|
| 動く金額 | 中古車の値引きは数万円が中心(新車より値引き幅が小さい) | 店による査定差が10万円単位で出ることがある |
| 交渉に必要なもの | 他店の見積もり、時期 | 年式×走行距離の相場表、複数の査定額 |
| 失敗したときの損 | 少し高く買う | 相場より数十万円安く手放す |
| 手間 | 店とのやりとり | 一括査定の電話対応(対処法あり) |
中古車の販売価格は、店側もすでに相場を見て付けているので、大きな値引きは出にくいです。一方で下取り額は「新車の値引きと合算」されて見えにくく、買取店の相場を知らないと、安く手放していることに気づきません。
おすすめの順番は、
- 車種ページの相場表で、今の車の「年式×走行距離」の目安を見る
- 買取店の査定を複数とる(手順と電話対応はこちら)
- その金額を頭金として、予算の式に入れて買う車の上限を決める
- 買う車は「値下がりが落ち着いた年式」「節目を少し越えた走行距離」から探す
です。
買う側の相場観:高すぎ・安すぎに気づくには
買う側は、同じ条件(車種・年式・走行距離・修復歴なし)で複数のサイトを検索し、価格の分布を見ます。分布の真ん中より明らかに安い個体は、修復歴・水害歴・長い在庫期間・車検切れなど理由があることが多いです。
| 確認すること | 理由 |
|---|---|
| 支払総額で比べる | 車両価格が安くても諸費用で差が埋まることがある |
| 保証の有無と期間 | 保証付きは価格に保証費が含まれる。保証なしの安さと比べない |
| 車検の残り | 車検整備付きか、残りが短いか |
| 同じ年式の相場表との差 | 買取相場+20〜30万円が販売価格の目安。それより大きく外れたら理由を聞く |
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この記事について
くるま相場ノートは、地方で車に乗る人の目線で、中古車のグレードの違い・年式ごとの変更点・買取相場を表にまとめているサイトです。 相場の数字は出典と時点(2026年10月時点など)を明記し、月1回見直しています。装備や年式の記載は、できる限りメーカー発表や公開資料で確認していますが、年式・仕様によって異なる場合があります。購入・売却の前には現車と販売店・買取店でご確認ください。
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